「若い時の苦労は買ってでもしろ」
「若いうちは苦労した方がいい」
こう言われたことがある社会人は多いと思います。
正直若手会社員からすると反応に困りますよね。
「自ら辛い方へ進めってこと…?」
こんな風に考えてしまう人も多くいると思いますが、ちょっと待ってください。
本当に自ら苦労する道を進むことが、今後の将来につながるのでしょうか?
もしかしたら、将来に全く生かされない苦労かもしれないし、いいように使われているだけかもしれません。
今回の記事はこんな方におすすめです。
- 若いうちに苦労しろって言われたけど、信用していいの?
- 若い時の苦労って役に立つの?
- なんで年を取ると若いうちの苦労を語るのかわからない
こういった疑問を解決できる記事になっています。
ぜひ最後まで見ていってください。
若い時の苦労は買ってでもしろってどういう意味?
「若い時の苦労は買ってでもしろ」
この言葉の意味について、念のため紹介します。
若い時の苦労は買ってでもせよとは、若い時にする苦労は必ず貴重な経験となって将来役立つものだから、求めてでもするほうがよいということ。
故事ことわざ辞典
「若い時に苦労しておいたことは、年を取ってから役に立つよ、だから自ら苦労した方がいいよ」
ということですね。
「若い時の苦労は買ってでもしろ」と言われる理由2選
言葉の意味を知ったところで、こういった発言をする人について、考えてみましょう。
なぜこういった発言をするのか、理由が今ひとつわかっていないこともあるでしょう。
この発言をする人の考えを知ることで、本当に役に立つのかどうか、気づくきっかけになるので、ぜひ読んでみてください。
若い時に苦労して良かったから
1つめは「若い時に苦労してよかった」パターンです。
若い時の苦労の経験が今に生きていて、心の底から苦労して良かったと思っている人です。
例えばこんな人たちが当てはまります。
- 最初は自力で稼げなかったけど、苦労を積み重ねたおかげで稼げるようになった!
- 苦労していたころに周りの人に優しくしてもらって、人の優しさを知れた!
- 昔苦労したから、今多少の困難は苦にならない!
こんな感じで、若い時の苦労をポジティブにとらえている人が多そうですね。
若い時の苦労をこう捉えられるなら、若い時の苦労も捨てたもんじゃなさそうです。
ただ、若い時の苦労が良かったと思える人は、「自分で納得したうえで苦労している」ことが多いです。
「この苦労をすれば今後何があってもやっていけそう」
「今地道に積み重ねれば、誰にも負けないスキルになる」
こんな感じで、この苦労自体を自分の中に落とし込んでいます。
自ら望んで苦労しているとは言いませんが、自分の中で苦労することを前向きにとらえていますね。
若い時に苦労して嫌だったから
2つめは「若い時に苦労して嫌だった」パターンです。
若い時に苦労して、自分が嫌な思いをしたので、自分より若い人が楽しているのが許せない人です。
例えばこんな人たちが当てはまります。
- 自分が若い時は誰よりも早く出社していたのに、今の若い人は…
- 今の子は俺みたいに苦労してないから、嫌なことがあるとすぐ逃げる
- 上司や先輩に従うのは当たり前、やれと言われたらやる
こんな感じで、自分が若い時に苦労したんだから、今の若い子が苦労するのも当たり前。
何なら自分と同じ苦労をするべきと思っています。
こういった人は「苦労に対して納得できていない、ただ辛かっただけ」の人が多いように思います。
「納得はしてないが、言われたから嫌でもやっていた」
「今の若い子が苦労してないように見える」
こんな感じで、過去の苦労を今に活かすことができていない人が多いです。
若い時の苦労は本当に役に立つのか?
続いて、今の若い人に向けて、若い時の苦労は本当に役に立つのか考えていきます。
結論、役に立つ苦労と役に立たない苦労があります。
これからこの2つについて紹介していきますので、参考にしてみてください。
役に立つ苦労
「役に立つ苦労」ってどんなものでしょうか。
結論、「将来のためになる苦労」です。
例えばこういった苦労があります。
- 下積み時代は書いたマンガ売れなかったけど、努力を積み重ねて売れるようになった!
- 受験勉強がとてもつらく大変だったけど、志望校に合格した!
- 仕事しながら資格勉強は大変だったけど、資格取得して年収が上がった!
こんな感じで、今は辛く大変でも、半年後、1年後、もしくはもっと先の自分に返ってくるような苦労であればした方が良いです。
今の苦労が将来のためになるのかどうか判断するポイントはいくつかありますが、大事なことを一つ。
「この苦労に対して自分が納得できるかどうか」
ここを意識しましょう。
例えば、資格勉強。
資格勉強している期間は、時間もないし、家事や仕事で忙しいし、嫌になることもあるでしょう。
ただ、この資格勉強して、資格取得できれば、収入アップが見込めるし、もし資格取れなかったとしても、勉強した知識やスキルは身に付きます。
この勉強した知識やスキル、勉強に費やした時間が、自分にとって
「がんばってよかったな」
こう思える将来が見えるなら、今の苦労は無駄にならないでしょう。
役に立たない苦労
反対に「役に立たない苦労」は何があるでしょうか。
すでにお察しの通り、「将来のためにならない苦労」です。
例えばこういったものがあります。
- 自分を殺して、上司の機嫌を伺い続ける
- 上司の命令で、大量の雑務を嫌々処理し、深夜まで仕事する
- 家庭などの人間関係を無視した、過度な労働
こんな感じで、将来の自分のためにならない、むしろ健康や人間関係を損なうような苦労はしない方がいいです。
将来のためにならない苦労のポイントもいくつかありますがやはり
「自分が納得していない苦労」
これは避けるべきだと思います。
誰かから命令されて大量の仕事を処理したり、高額セミナーに勧誘され、よくわからないままお金を大量に使って金銭的に困ったり。
自分で決めたわけでもなく、誰かに命令されたり、よくわからないまま誰かに流される。
こういった苦労は、他人からの影響で、自分の中で腹落ちしていません。
「こんなはずじゃなかった」
「あんなことなんでやらされたんだ」
こう思ってしまうような苦労であれば、する必要がない苦労と言ってもいいでしょう。
なお、後々考えてみて「まあ結果的に苦労してよかった、忍耐力がついたから」と思える時もありますが、本当に役に立ってるかと言われると微妙なことも多いです。
「若い時の苦労は買ってでもしろ」と言われた時の対処方法
さて、ここまでで、若い時の苦労が役に立つものと、役に立たないものとあることを紹介してきました。
ところで、若手会社員の方は上司や先輩社員から
「若い時の苦労は買ってでもしろ」
「若い時は苦労しておけ」
「若い時は苦労するものだ」
と言われることはありませんか?
どう答えればわからない時ありますよね。
こういわれた時の対処方法についてお伝えしてきます。
ほとんどはスルーでOK
基本的に、「ほとんどはスルーでOK」です。
実際は無視するわけにはいきませんので、心の中でのみスルーしてください。
上司や先輩からすると
「おいおい、せっかく自分が教えてあげてるのにスルーなんてありえないだろ」
こう思う人はいると思います。
ただ、ほとんどの場合は、心の底からあなたのことを思って言っていません。
「自分が若い時に苦労したのに、今の若手は苦労していない。若手は苦労するべきだ。」
こう考えて言っている人がほとんどだと思っています。
(そもそも「教えてあげている」と思っている時点で、本当にあなたのことを思っているとは言えそうにないですね。)
後述しますが、今の中高年の人と同じ苦労を今の若い人がする必要はないと思っています。
また、本当にあなたのことを思っているなら、
「今は辛いかもしれないけど、将来役に立つよ」
「この苦労はいつかやってよかったと思えるよ」
こんな感じで、この苦労が将来役に立つのか、どう思えるのかといった言葉を使ってくるはずです。
ただの言葉遣いといえど、あなたのことを思っているならそれなりの言葉遣いになるはずなので、注意しましょう。
表面は「ありがとうございます!がんばります!」で対応
心の中ではスルーでいいですが、表面でもスルーはできないので、
「ありがとうございます!がんばります!」
とだけ言っておきましょう。
下手に聞き返したり、質問すると、過去の苦労話や思い出話をされてしまいます。
この話は特に有意義にならないことがほとんどです。
お礼の言葉だけ伝え、そっとその場を去りましょう。
今の若い人は必ずしも昔の人の若い時と同じ苦労をする必要はない
最後に、「今の若い人は必ずしも昔の人の若い時と同じ苦労をする必要はない」と私は思っています。
こう思う理由としては、単純に時代が違うから。
これは、昔が悪いとか、今の方が良いとかいう話ではありません。
- 昔はエクセルもなく手計算だったから、手計算をしろ。
- 今はお掃除サービスを利用しているが、昔はなかった。若手会社員は早く来て掃除しろ。
- 昔当直の時はみんなの分の食事を作っていた。だから今の若手も作れ。
ここまで極端な例はないかもしれませんが、こんな感じで時代と合ってない苦労をする必要はありません。
昔の方が苦労して今の時代を作ってくれたことに敬意を払いますが、今の若手には今の苦労があります。
技術の進化とスキルの変化、PCスキルの習得、マナーや接客、度重なる不況や経済的困難など…
今の日本の労働者人口は減り続けており、一人当たりの労働生産性は高い水準で求められます。
こういったプレッシャーや苦労を乗り越えるために頑張っている若手会社員は、それだけで十分です。
まとめ
今回は「若いうちの苦労は買ってでもしろ」が嘘なのかどうか、解説しました。
「若い時の苦労は買ってでもしろ」といった言葉は間違いではありません。
ただ、これを言われた時は真に受けず、今回紹介した内容を思い出してください。
会社や上司、先輩にいいように扱われることがないよう、本当にその言葉を信じていいのか、考えてみるようにしましょう。
この記事を読んでくれた方が、無駄な苦労をせず、よりよい将来となる努力ができるよう祈っています。