仕事でお客さんや取引先に説明しているときに、
「なぜかわからないけど、この人全く話が伝わらないな」
こう感じることはありませんか?
これは接客業や会社窓口で仕事をしている人なら、経験したことがあると思います。
相手はいい大人だし、そこまで難しい話をしているつもりもない。なのに伝わらない。
これはあなた(説明する側)の説明が悪いからとは限りません。
なぜなら、人は「お客さん」になった瞬間に理解力が著しく下がるからです。
今回はなぜ「お客さん」になった瞬間に理解力が下がるのか、解説していきます。
この記事はこんな方におすすめです。
- お客さんにがんばって説明しているけど、なんで伝わらないの?
- なんでお客さん側になると理解力が下がるの?
- 自分がお客さん側になった時の注意ポイントは?
ぜひ最後まで見ていってください。
理解力がない客が多いのはなぜなのか
早速本題ですが、理解力がない客が多いのはなぜなのか。
接客業をしたことがある人はほぼ全員感じたことがあるでしょう。
「いい年してる大人なのに、なんで理解してもらえないんだ…」
まずはこの理由を理解したうえで、対策や注意するポイントを押さえていきましょう。
説明する側がプロだと思っている
まずは「説明する側がプロだと思っている」ことが理由に上がります。
たしかに説明する側は、その会社や組織にいるため、聞かれていることに対しては他の人からすると知識があります。
ただそれがプロレベルかというと必ずしもそうではありません。
「いやいや、給料もらっている以上プロであるべきだ」
こんな意見はあると思いますが、会社や組織で仕事している以上、自分以外で仕事している人がいます。
例えば飲食店一つとっても、
- 調理する人
- 接客、レジ、清掃する人
- 飲食店へ提供する野菜を作っている人
まだまだたくさんありますが、こんな感じで、たくさんの人がかかわって飲食店が成り立っています。
これだけの仕事がある中、自分以外の仕事も全て理解して、人に説明するレベルまで高めることはほぼ不可能に近いです。
(もちろん、お客さんから聞かれるところだけは理解しておくことは必要ですが)
また、その分野の知識があっても説明することのプロである人はごくわずかです。
どんな人にもわかりやすく伝えることって非常に難しいですからね。
知識がある人に説明するのでも大変なのに、知識のない人に対して説明するのは骨が折れます…。
教えてもらって当然と思っている
次はお客さんが「教えてもらって当然と思っている」からです。
日本は良くも悪くも、お客さんを大事にしすぎる文化があります。
- お客さんをもてなす精神
- 接客・サービス業のレベルの高さ
- クレームや過度な要求にも丁寧に対応する
これらは日本が世界に大きく誇れる文化と言えます。
日本ならではのお客さんを大事にする考えは、今後も続けていってほしいですね。
ただその反面、お客さん側が大事にされすぎて、甘えてしまっている現実もあります。
- 自分で調べもせず、店側に1から10まで説明させる
- 時間がないから早くするように店員を急かす
- 金を払っているから、これくらいはしてもらって当然という考え
こういった感じで、日本ではお客さんが店側よりも上といった意識の人が多くいます。
こういった意識が、「こっちは客なんだから教えてもらって当然」といった思考に結びつきます。
わからないんだからわかるように説明をするように求め、必死に聞こうともせず、わからなければイライラする。
こういったお客さんは一定数存在しています。
また、ここまではいかずとも、かなりの人がお客さん側に回ると理解しようとする気持ちが著しく低下します。
冷静に考えてみてください。
自分がお客さんになった時に店員さんから話を聞くときに、仕事と同程度の気持ちで話を聞いていますか?
ほとんどの人がNOと答えるはずです。
どんなに優秀で頭がいい人も、お客さんになった状態では本来の理解力で話を聞いている人は、ほとんどいません。
これは心の奥底のどこかで、お客さんである気持ちに甘え、教えてもらって当然といった意識があるからです。
そこまで聞く気がない
最後に「そこまで聞く気がない」ことを理由にあげます。
大して「この商品知りたい!」と思っていないのに、商品について聞いてくるお客さんがいます。
何となくその時気が向いたし、聞くのはタダだから聞くみたいな感じですね。
気軽に聞けるといった環境はいいことですが、お客さんが聞く気がなければ説明しても理解してもらえません。
先ほどの「教えてもらって当然と思っている」でも解説しましたが、お客さん側になると理解しようとする気持ちが低下しています。
こんな状態のときに説明する側が一生懸命説明しても理解してもらえないのは当然かもしれませんね。
理解力が低下している客への対策
続いて、理解力が低下しているお客さんへの対策を紹介します。
ここで紹介する内容は、「説明する側」の人への対策です。
100%理解をしてもらうためではなく、説明する側の人が苦労したり、悩んだりしないための考え方になります。
神経質になりすぎてストレスをためないためにも、読んでみてください。
説明スキルを身につける
まずは「説明スキルを身につける」ことです。
お客さんが聞く気がなければ、聞いてもらえるようにスキルを高めましょうといったことです。
説明スキルを高めるための例として、以下のようなものがあります。
- 声のトーンを上げて聞き取りやすくする
- 話がいろんな方向に行かないよう、論理立てて話す
- 相手の気を引くような、キラーワードをうまく使う
- 商品の知識を深く身につける
など、身につける説明スキルは多くあります。
一朝一夕では身につかないと思いますが、身につけておくと一生使えるスキルになるため、少しづつでも勉強してみるといいでしょう。
過去に話をするときの意識についても解説していますので、見てみてください。
全てを理解してもらえることは不可能と考える
次に「すべてを理解してもらえることは不可能と考える」ことも頭に入れておいてください。
基本的に説明したことの半分でも理解してもらえれば上出来と思いましょう。
どんなにがんばって説明スキルを身につけて、実践しても、お客さん側の気持ちが変わらないことには大きな改善が見えないこともあります。
お客さん側の気持ちは正直なところ、説明する側にはどうしようもないことがあります。
人の気持ちを完全に操作することは不可能ですからね。
そのため、こちらの説明を全て理解してもらえるのは不可能と割り切り、淡々と説明をすることも一つの手です。
熱心に説明することは素晴らしいですが、理解してもらえないことのフラストレーションがたまると、あなたが辛い思いする可能性がありますからね。
そのため、頭の片隅にでもこの考えは入れておいてください。
ゆっくり丁寧に説明する
ゆっくり丁寧に説明することも大切です。
仕事の中でお客さんへ説明するときは、当然あなたは別の仕事も持っているはずです。
事務処理や次のお客さんへの対応など…
そのため、できるだけ早くお客さんへの説明を終わらせ、次のことをしたいと思っているかもしれません。
ただ、その焦りが説明不足になり、結果的に余計に説明に時間がかかってしまうということはよくあります。
基本的にお客さんはあなたよりも知識がないですから、前提として知らないこともたくさんあります。
ゆっくり丁寧に説明することを心がけることで、
- お客さんの理解していない点は補足してあげる
- どこまで理解したかわかってから、次の説明ができる
- 焦りを感じないので、お客さんも落ち着いて説明が聞ける
こういったメリットは、かなり大きなメリットになります。
理解力がないと感じた時は、特にゆっくり丁寧に説明することを意識して説明するようにするといいので試してみてください。
自分がお客さんになった時の対策
ここまで理解力がないお客さんへ説明するときの対策を紹介してきました。
ただ、残念な事実として、どんなに優秀な人で自分が気を付けてもお客さん側になった時は理解力が下がっています。
仕事の時の理解力の3分の1くらいには下がってると思います。
もっと理解できる力はあるのに、理解力が下がった状態なのは非常にもったいないことです。
そのため、お客さん側になった時に、少しでも理解力を高めるためのポイントを紹介していきます。
優秀な人でも実践できていない人が多いため、これを実践するだけでも人生の質や日常生活でのインプットが向上し、他の人と差をつけることができます。
理解する気持ちを持って聞く
当たり前ですが、「理解する気持ちを持って聞く」ようにすると、理解力が全然違います。
学校の授業でも、先生の話を熱心に聞いている人、何となく外を見ながら聞いている人、他のことを考えながら聞いている人、いろいろいたと思います。
ここで理解をちゃんとしているのは、先生の話を熱心に聞いている人ですよね。
先生の話を熱心に聞いていると、後で自分で勉強するときにも覚えている人が多いので、自分で勉強する時間の短縮や理解力が上がります。
結果的にテストの点数も良くなる人が多いです。
ちゃんと話を聞こうとする意識を持つだけでも、理解力はまるで違います。
特別なことや知識を身につけずとも、意識だけで理解力は変わってきます。
この意識を持たずに何となくで話を聞いている人とは、差をつけることができるのは間違いありません。
ぜひ意識をしてみてください。
店とお客さんは対等である
次に「店とお客さんは対応である」意識を持ちましょう。
「こちらが金を払うんだから、教えてもらって当然」
こういった意識があると、理解力が下がるのは当然です。
理解できないのは店側にあると考え、責任は自分にないと考えてしまいますからね。
ただ、冷静に考えていただきたいですが、店とお客さんはただの契約関係です。
- 店側はサービスや商品を提供する
- お客さん側は提供されたサービスや商品の対価としてお金を支払う
ただのこれだけの関係です。
この関係性にどちらが上も下もありません。
「お金を払ってるのは客側だ!」といった考えは、店側からすると「サービスや商品を提供してるのは店側だ!」と同じ考えになります。
「教えてもらって当然、わかるように説明しないのが悪い、客だから知識がなくて当然」
こういった考えは捨て去りましょう。
あくまで、お客さん側と店側は対等な関係である。
これを意識することで、考え方が変わってくるため、理解力も変わってくるはずです。
時間に余裕を持って聞く
最後に「時間に余裕を持って聞く」ようにしましょう。
「次は〇〇へ行かないといけないから早く説明してほしい」
こういった気持ちの焦りがあると、理解が低下します。
お客さんとして、休日を過ごしていると、次の予定を入れていて、時間の制約があることが度々あります。
時間の制約が、焦りを呼び、ストレスとなり、脳のリソースが余計なところに奪われてしまう。
こんな感じで理解力が下がることは無理もありません。
次の予定があることもあるかと思いますが、店員さんも貴重な時間を割いて説明してくれています。
スケジュールをぎゅうぎゅうに入れすぎるのではなく、少し長めに時間を取り、わからないところはちゃんと聞く。
これだけでちゃんと理解できる可能性が上がります。
まとめ
今回は「お客さん」になった瞬間理解力は著しく落ちることについて解説しました。
日本はどうしてもお客さま志向が強いため、お客さん側に回った時の意識の低さが目立ってしまいます。
お客さんへのサービスが手厚すぎるあまり、どうしてもこの意識を改善するのは厳しいでしょう。
ただ、店側であってもお客さん側であっても、ある程度の意識を持って話を聞くことができれば、多くのことを知れるし、人生の解像度も上がってきます。
ぜひお客さん側に回った時も、理解する意識を忘れずに生活してみてほしいです。
この記事を読んでくれた方の、「お客さん」に対するモヤモヤが少しでも晴れればうれしく思います。
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