日本にはたくさんの資格がありますが、その中でも注目されている資格や、人気資格があります。
その中で、応用情報技術者試験と日商簿記2級は人気も注目度も高い資格になっています。
応用情報技術者試験はDX人材の育成など力を入れている会社が多い中で、ITやシステムの知識があることを証明できる資格になっており、注目を集めています。
日商簿記2級は歴史がある民間資格ですが、簿記という社会で密接につながっている知識は、どんな人でも取って損のない資格になっています。
この2つの資格について、どっちが難しいのか気になる人も多いんじゃないでしょうか。
今回は応用情報処理技術者試験と日商簿記2級どちらが難しいのか、両方の資格を取得した私が解説していきます。
両方の資格を受けようとしている、どちらの資格を受けようか簡単な方から取りたいという人は、最後まで読んでみてください。
それぞれの資格取得前の私のスペック
前提として、それぞれの資格取得前の私のスペックを紹介します。
私は基本情報技術者試験を応用情報技術者試験合格前の3年ほど前に取得。
日商簿記3級を日商簿記2級合格前の10年ほど前に取得していました。
どちらも下位資格を持ってはいましたが、内容をあまり覚えていないことも多く、ほとんど0からの資格勉強となりました。
応用情報技術者試験と日商簿記2級の内容比較
ではこの2つの資格について、試験内容の比較をしてきます。
内容 | 応用情報技術者試験 | 日商簿記2級 |
---|---|---|
試験方式 | 統一試験:年2回 | 統一試験:年3回 ネット試験:年中可 |
試験時間 | 午前試験:9:30-12:00(150分) 午後試験:13:00-15:30(150分) | 90分 |
出題数 | 午前試験:80問(選択式) 午後試験:大問11問のうち5問選択(記述式) | 数値や選択式記入の大問5問 |
合格基準 | 午前、午後とも60点以上 | 70点以上 |
受験料 | 税込7,500円 | 税込6,050円(事務手数料含) |
直近合格率 | 23.6%(2024年春) | 統一試験:22.9%(2024年6月) ネット試験:39.8%(2024年春) |
応用情報技術者試験は年2回のみしか受験できないことに対し、日商簿記2級は統一試験でも年3回受験チャンスがあります。
また、ネット試験なら自分の好きなタイミグで受けられるので、応用情報技術者試験よりは気楽に受けられますかもしれません。
出題数や試験時間は応用情報技術者試験の方が多いですが、その分合格基準は日商簿記2級よりも低めになっています。
こういった点を踏まえて、それぞれの試験について比較し、特徴を踏まえていきましょう。
応用情報技術者試験の特徴
まずは応用情報技術者試験の特徴から紹介していきます。
私は応用情報技術者試験は2度落ちた経験があり、3度目の受験で合格することができました。
この3回の受験回数を踏まえて応用情報技術者試験の特徴を紹介していきます。
試験時間が長い
私が感じた特徴として、とにかく試験時間が長いことです。
午前150分、午後150分の合計300分の長丁場となります。
試験時間が長いと、集中力の持続力が求められ、かなりの持久力が求められます。
特に午後試験は、長文から答えを導き出し、記述式で解答していく必要があるので、午前試験だけでへばっているようでは到底合格することはできません。
応用情報技術者試験に合格したいなら、この試験時間でしっかり集中できる力が必要になります。
試験範囲が膨大
応用情報技術者試験は試験範囲が膨大です。
また、科目それぞれが独立している知識もあり、一つ覚えればすべてが繋がって理解が深まっていくこともあまりありません。
覚えることが多く、かなりの勉強時間を強いられます。
応用情報技術者試験の試験内容の一部を紹介します。
- 基礎理論
- アルゴリズム
- ソフトウェア・ハードウェア
- システム監査
- 経営戦略 etc.
これだけでもほんの一部です。
現役のシステムエンジニアでも、全て実務で経験しているわけではないので、かなりの勉強時間が必要になってきます。
午後問題の得点が安定しにくい
午後問題の長文読解、記述式の試験は得点が安定しにくいです。
これは私の選択した科目ならではの特徴かもしれません。
私は情報セキュリティ、経営戦略、組込みシステム、プロジェクトマネジメント、システム監査を午後問題に選びました。
これらの午後問題を何度も過去問を解いていましたが、どうしても得点が安定しませんでした。
というのも、経営戦略やシステム監査は出題パターンが多く、毎回どんな問題が出るのかわからないため、対策がしづらく感じました。
また、語句を答える問題も膨大な試験範囲からピンポイントで語句を答える必要があり、実務で経験していないとかなり厳しいところがあると感じました。
完璧な知識を習得する必要はない
応用情報技術者試験は完璧な知識は必要ないと感じました。
応用情報技術者試験は午前60点、午後60点で合格できる試験です。
6割取れれば十分なので、全てを完璧に覚える必要はありません。
理屈はわかっていなくても、語句や解き方が何となくわかっていれば対処できる問題も多くあります。
特に午前問題は半分くらいは過去問からの流用問題となっています。
過去問をひたすら解いて、答えを覚えるくらいやりこめば、午前問題はクリアできるでしょう。
合格に必要な点数は日商簿記2級よりも少ないので、考え方によっては余裕があるかもしれません。
日商簿記2級の特徴
続いて日商簿記2級の特徴を紹介していきます。
私は日商簿記2級は2024年にネット試験で1度で合格しました。
それを踏まえて、紹介します。
理屈を理解する必要がある
簿記は理屈をしっかりと理解する必要があります。
何となくで解こうとすると、得点は伸びてきません。
基礎的な部分である仕訳や、工業簿記の原価計算でつまずくと、他の問題を解くのは難しくなってきます。
この基礎部分はしっかりマスターすることに時間をかけて、次の分野の理解に努める方がいいでしょう。
簿記2級が難しく感じるなら、まず簿記3級のテキストを理解して、そこから簿記2級のテキストに行くようにすると理解しやすくなります。
この理屈の理解が、最初はつまづくかもしれませんが、ここを乗り越えると簿記2級は楽になってきます。
商業簿記の範囲が広い
日商簿記2級は商業簿記の範囲が広いです。
日商簿記2級は日商簿記3級の延長線上にありますが、商業簿記の試験範囲は3級と段違いです。
商業簿記の試験範囲の一部を紹介します。
- 固定資産
- 貸倒引当金
- リース会計
- 税効果会計
- 連結会計 etc.
特に連結会計については、簿記1級から降りてきた科目で、簿記2級のラスボスともいえる科目になっています。
すべてを理解するのはかなり難しく、部分点狙いで対策する受験者も多いです。
私が受験した際は連結会計が出ませんでしたので、88点の高得点で合格できましたが、正直連結会計で出てるともう少し点が下がったと思います。
ネット試験が気楽に受けられる
日商簿記2級はネット試験で受験できるのが嬉しいポイントです。
ネット試験であれば年中いつでも受験可能で、自身の勉強ペースに合わせて受験することができます。
勉強したいと思ったタイミグで勉強始めることができ、いつでも受験可能というのが嬉しいですね。
また、仮に1度落ちたとしても、できなかったところを復習してすぐに再受験できるので、ネット試験の合格率が少し高めになっていると私は感じました。
受験時間帯も自分で決めることができるので、朝一の一番集中力がある朝受験、午前中復習して午後受験など自分の生活リズムに合わせた受験ができるのも嬉しいポイントです。
応用情報技術者試験と日商簿記2級どっちが難しい?
ここまで応用情報技術者試験と日商簿記2級の特徴を紹介してきました。
このそれぞれの特徴と、私の受験した経験を踏まえて、どちらの方が難しいか結論を出していきます。
結論、応用情報技術者試験の方が難しいと私は感じました。
応用情報技術者試験の方が難しいと感じたポイントはこちらです。
- 試験時間が長すぎる
- 試験範囲が膨大
- 午前問題も油断してると落ちる
試験時間が午前午後計300分もあり、この試験時間集中力を持続させるだけでもかなり大変です。
試験範囲が広いこともあり、何度過去問を解いて、テキストを解いても私は得点が安定しませんでした。
対策は基本的に午後問題がメインになってきますが、午後問題ばかり勉強して午前問題をおろそかにしていると、午前問題でも落ちることがあります。
それに対し日商簿記2級は理屈の理解は必要なものの、試験時間は90分でかなり短いです。
理解さえしていればそこまで悩む問題も少なく、難しい分野でも部分点は確実に取れるようになってきます。
こういった点を踏まえると、応用情報技術者試験の方が私は難しく感じました。
まとめ
今回は、応用情報技術者試験と日商簿記2級はどちらが難しいのか、資格の比較をしてみました。
どちらの資格も人気資格の一つになっています。
合格率が低めの資格ではありますが、取ることができれば周りからも一目置かれて、しっかり勉強ができる人だと認識してもらえる資格です。
また、就職や転職、昇進などにも役に立つ資格になっているので、もし興味がある方は資格取得を目指して頑張ってほしいと思います。
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